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Side ???
副会長のレンレンと彼のお気に入りになったという転校生を見に行くために食堂へと赴く俺達生徒会。
レンレン曰く、自分からディープキスして鈍い音がして物凄い激痛が走ったところまでは覚えてて、後は保健室にいたんだってさ。
んで、「絶対にあの転校生……和輝が送ってくれたに違いありません!!」とか言うから着いてきてみれば……
何、このダサい奴?
黒髪のボサボサ頭に分厚い瓶底メガネ。
こんな冴えない奴にレンレンは惚れたっていうの?
目の前で黒モジャに抱きつくレンレンを見てハァと溜め息を吐く。
これなら、親衛隊の総隊長のほうがまだマシだよ。
そう思って何となく黒モジャの近くの席に目を向けたら、見覚えのある触り心地のよさそうな黒髪を見つけた。
噂をすれば何とやら、というべきなのかその黒髪は親衛隊の総隊長だった。
?「(…………あれ…?)」
でも、何だか様子が変だ。
親衛隊の総隊長ともなれば副会長がこんなモジャ男に抱きついた時点で騒ぎ出すくらいはするだろうと思ったけど、そんな様子はまるでなくて。
逆に、どこか困ったような切なそうな悲しそうな、それでいて羨ましそうな顔をしてその光景を見つめていた。
悠「………いいなぁ………」
ポソッと蚊の鳴くような、切な気な声音でそう呟いた彼を見た瞬間、心臓を鷲掴みされたように胸が痛んだ。
ドクドクドクと早い鼓動が耳から聞こえてくる。
幸いなのか分からないけど、ポーカーフェイスは得意だから誰にも俺の変化は気づかれていない。
この子を知りたい、守りたい、手に入れたい、壊してやりたい、大切にしたい、そんな色々な感情がいっきに心の中で渦巻き始めた。
こんなコト初めてだから、何をすればいいのかってよく分からないけど。
?「………ねぇ」
俺はとりあえずこの動悸を紛らわせるために話しかけることにした。
驚いたのか目を大きく見開いてこっちを見てきた彼のエメラルドグリーンの瞳に自分の姿がハッキリと写っているの見て何故か嬉しかったのは秘密の話。
Side ??? end
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