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~そして数時間後~
カリカリッ カリッ ドン
「っし!
やぁっと終わったぜコンチクショウ!」
あまり慣れないデスクワークによるフラストレーションから解放され、景気づけに多少荒めにペンを置きながらメモを持って椅子に寄りかかる。
「…ふぃ~…何気に重労働だぜ。
しっかし…結構時間かかっちまったなぁ。
ま、これで少しは安心できるってもん…」
ピンポーン
「ん?」
『新しい称号を取得しました~☆』
「………………あん?」
不意にまた頭の中に効果音とメッセージが流れる。
オレの反応が微妙だったのは『新しい称号を取得』した事への疑問ではなく、先ほどの中性的な音声から明らかに女性の声に変化していたからだ。
しかも声の印象が少女っぽい、無駄に明るくて元気な、ぶっちゃけ能天気娘って感じの声だ。いわゆる『萌えボイス』ってヤツだろう。
可愛らしいのは普通に考えれば嬉しいのだが、苦行をやり遂げた後でテンションが上がり気味。
そこへワケの分からないメッセージが流れてきては、はっきり言ってタイミングが悪くて水を差された気分になる。
何より最後の☆が不快だ。
恐らく…否、ほぼ間違いなくアレなメッセージを書いたアレな奴の声だろう。
…そう考えると、タイミングも狙っていたように感じて更に気分は急降下だ。(落ちます落ちます!だっけか?)
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