~プロローグ~ 始まりは唐突すぎて誰もついていけないと思う

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―目が覚めると、そこは知らない天井だった…― 「………………はい?」 ―いや、知らない天井とかなんだよ!― …思わず自分の思考にツッコミを入れてしまった。 しかし、小部屋なのに蛍光灯等の近代人工灯が全く存在しない、年季を感じさせる木造の天井… 一般的な生活を送っていれば、ほとんど見れないのではないかと思う。 寝ていたベッドからゆっくりと上体を起こして周囲を見渡せば、天井と同じ木造の壁が四方を囲っている。 他にある物といえばこちらも木造のアンティーク感たっぷりの机と椅子、そして机を照らすように壁に設置されているロウソクくらいだ。 寝ぼけた頭をこすりながら、一言。 「………………。 ………はい?」 ………同じ言葉を繰り返してしまった。 寝ぼけている所為もあるけれど、それにしても状態が異常すぎているので、混乱するのも無理は無いと思う。 何しろこの部屋には壁しかない。 窓どころかドアすらない。 ついでに言えば、部屋の照明はもはやテレビのドラマセットでしか見れないようなロウソクが一本。 と、ここで重大な事実に気付いてしまった。 ―この部屋の酸素、ヤバくね?― …起き抜けにも関わらず、正常な判断力だと言える。(うん、さすがオレ)
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