25人が本棚に入れています
本棚に追加
その後、ナイトとはもっぱら文字を通しての会話だった。
『おはよう祥子さん。こっち雨だよ仕事がんばってね』
『おはよう。雨の中のお仕事大変だね…今曇ってるけど、そのうちにこっちも雨になるね』
彼の住んでいる場所は私のいる関東よりずっと西。
会うことは無いのだろうけれど、日常のほんの潤い。
それで良いと思っていた。
彼の気まぐれでも構わない。
あの晩、私の体が求め、迎え受けることが可能なのだと確認出来ただけで満足なのだ。
心なしか鏡に映る肌は艶を増している様な気がする。
エステサロンを経営している私は、少しでも若く見えなければならないと思っているのだから、これは良いことなのだろう。
と勝手に自分に言い聞かせてみる。
最初のコメントを投稿しよう!