接近

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その後、ナイトとはもっぱら文字を通しての会話だった。 『おはよう祥子さん。こっち雨だよ仕事がんばってね』 『おはよう。雨の中のお仕事大変だね…今曇ってるけど、そのうちにこっちも雨になるね』 彼の住んでいる場所は私のいる関東よりずっと西。 会うことは無いのだろうけれど、日常のほんの潤い。 それで良いと思っていた。 彼の気まぐれでも構わない。 あの晩、私の体が求め、迎え受けることが可能なのだと確認出来ただけで満足なのだ。 心なしか鏡に映る肌は艶を増している様な気がする。 エステサロンを経営している私は、少しでも若く見えなければならないと思っているのだから、これは良いことなのだろう。 と勝手に自分に言い聞かせてみる。
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