接近

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ナイトとは自分にとってはネット上の存在であって、自分の中で勝手に都合の良い人間に作り上げていたのだと思う。 文字での会話も、どこかで自分が上位な立場でいたいと思っていたし。 実際にエロトークが度を超しそうになると私からブレーキをかけた。 『出た!祥子さんのツンデレ(笑)照れ隠し』 違うんだ…本当は答えようが無くなって困っていたの。 笑って冗談にしてしまえるように一生懸命に返答を考えてるのに、ナイトが答えられないような事を言ってくるのが悪いのだ。 そんな雰囲気になるのを避けたいのに。 例えネット上でも、男と女になってしまうと… ナイトと私を結び付けるものが変わってしまう。 それでも…男と女の微妙な空気がふたりの間に流れなければ、やはり。 繋がっている事は難しいかもしれない。 彼との繋がりが切れる事を私は恐れていた。
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