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頭を振り回し、化物を壁に叩きつけ、無理矢理、引き剥がし廊下を走った。
「目が、めーーーめーーーあーーー!! あーーー!!あーーー!!あーーー!!あーーー!!あーーー!!あーーー!!あーーー!!あーーー!!あーーー!!あーーー!!あーーー!!あーーー!!あーーー!!あーーー!!あーーー!!あーーー!!あーーー!!あーーー!!あーーー!!あーーー!!あーーー!!あーーー!!あーーー!!あーーー」
見えない、見えない、見えない、目が見えない。頭からはとめどなく血が滴り落ちて辺り構わず走り回った。壁にぶつかって階段から転げ落ちた。
「あーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーーあーーー」
『なんばしょっとね』
あの化物の声が聞こえた。爪を引っ掻くような不愉快の音と共に右足に激痛が走る。爪が皮膚を裂き、歯が右足を噛みきろうとグチュグチュと肉を引き裂いていく。
化物はウチの右足にしがみついていたんだ。落とせていなかった。
「イヤァイヤァを助けて、助けて」
床をこする、爪を立てる。なんで、こんなことになったんだろう。ファミレスで臆病だと言われてもやめるべきだった。
「死になさい、化物」
「え?」
優美の声がしたと同時に頭部に固い何が振り下ろされた。幾度も、幾度も振り下ろされた。ウチはそこで事切れた。
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