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そう言って汀は自転車を止めて、下駄箱に向かうと
「おはよ、なぎ」
汀のクラスメイト、田中六汰がヘッドフォンを外しながら汀に、話しかけた
「おっ、ロクじゃねーか…つーか、なぎはやめろなぎは。女っぽいだろうがい」
「えー、でも、呼びやすいしさ」
「うっせ。…そのせいで最近、乃亜にもなぎって呼ばれるんだぞ…」
「ぷっ!ざまぁ!ざまぁ!ははははは!!あー本当にお熱いことで」
「うっせ、てめーの所為だぞ」
「へへへーごめんなさーい」
「…後で六の弱点、萌さんに言っとこ…」
そうぽつりと、汀がつぶやくと、六汰がすぐさま振り向き、汀の服にしがりついた
「それだけはやめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
六汰はリアルで付き合ってる人が居ないがネットを通じて付き合ってる、俗にいう「ネト充」である
六も汀も乃亜も同じアプリをしており、六汰の彼女をもちろん知っている
「やだねーお前がその呼び方辞めないから」
「うぅ…分かったよ汀」
「んで、お前らどーなんだよ、最近」
「う…え…えっとな…こないだ…その…」
「何だよ、なんか言われたのか?」
「ヘタレって…言われた…」
「あーうん…仕方ねーだろ、お前」
「うっせぇ!!ヘタレなのはわかってるけどまさかネット通してバレるなんて思ってなかったんだよ!」
「ざまぁだな、本当に」
「うるせぇぇぇぇぇだまれぇぇぇ!!うわぁぁぁん!!」
六汰は汀から逃げる様に、急いで廊下をかけた
「あー…うん…まぁ、いっか…ってやべぇ!!もう始まるじゃん!!?」
汀も後を追い、始業のチャイムギリギリで教室に入った
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