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「…いいのか?兄さんの形見…離しても」
1ヶ月後、2人は千葉に戻り、瑠夏の家を訪れた
「…いいのよ…瑠夏との思いでは…私の心の中に…あるから。忘れないから」
「…そうか…」
勇太はそう言って手にしたライターを使い、瑠夏の遺品に火を付けた
「…さよなら…瑠夏…」
煙が一筋の白い線を描きながら空へと昇る
「…私はまた…進むから…心配しないでね」
そう言って空を見た
<良かった…さよなら。幸せに>
「…え?」
宇美はどこからとも無く聞こえた聞き慣れた声が聞こえたと思い、辺りを見回した
「勇太、何か言った?」
「ん?何も?」
「…そう…」
暖かい風が、2人を包むように吹いた
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