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僕はどこにでもいるただの会社員。 まぐれかそれとも奇跡なのかわからないが大手企業に入れたものの取り分け何か他人より秀でたものがあるわけでもない入社2年目の新米。 協調的のかけらもなく、流されるまま中高大と平凡に平淡に生きてきた。 そんな男に女性が興味を示すはずもなくお姉ちゃん以外の女性と恋仲になったこともなければ話したことすらほとんどない。 そしてこれからも変わらずに。 「……お・・・ぃ」 「おい 春聞いてるのか?」 誰かの声を聞いて現実に戻された。 「あ ごめん竜也聞いてなかった なんって?」 「はぁ おまえなぁ。もう昼休憩だから飯に誘ったんだよ」 会社に相応しいなんの個性もない白の掛け時計に目を向けると12時を回っていた。 自分の世界に入っていて全く気付かなかった。 「待たしたみたいでごめんね」 「そんなことはもういいから早く食堂に行くぞ」 「うん」
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