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収入の芳しくない人たちが集う場所だ。
六畳一間に、小さな流し台。
入り口近くに、体格のいい人間ならさぞかし窮屈な思いをするであろう、狭い風呂とトイレがある。
ここに住むようになってから、「私」は生まれて初めて、自分の身体が小柄でよかったと思うようになったものだ。
それでも各部屋に風呂があり、トイレが共有でないだけまだましなほうか。
そう思うことにしている。
大家は舞い上がったのか、強引に〝マンション〟と名づけているが、誰が見てもそんな代物ではない。
ちょっと大きな地震がおこれば、近所一帯がみな無事でも、ここだけは倒壊してしまうのではないかと本気で思える、年代もののアパートだ。
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