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私とクレアちゃんが事務所のビルを出た所で、いきなり目の前に一人の男性が立ちふさがった。
歳は20歳くらいで、なんだかどこにでもいそうな、いかにもチンピラって感じのヤツ。
「…」
私はクレアちゃんを自分の後ろに隠した。
「クレアちゃんだよね?」
男が確認するように尋ねるが、そんなことに答える気はない。
「それでそこの彼女が…」
チンピラは私のことを言ってるみたいだけれど、ニヤニヤした顔が腹が立つ。
こいつをどう避けて行くか…事務所まで走って行くにはエレベーターしかないので無理だ。
大通りまで走って行くしかないと決めた時、背中で悲鳴が聞こえた。
「キャッ」
「クレアちゃん!?」
見ると、もう一人仲間がいたようで、クレアちゃんが手首を捕まれている。
私がクレアちゃんを掴む男の手に触れようとした時、後ろから急に全身に衝撃を受けて、倒れながら見るとチンピラの手にはスタンガンが。
クレアちゃんの私の名を呼ぶ声を聞きながら、私は闇へと堕ちていった。
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