出会い

5/31
前へ
/31ページ
次へ
「ただいまぁ」 「おっ。おかえり」 私の声をきいて母がリビングから玄関に向かって顔を出してきた。 私はそのまま自分の部屋に向かう。自分の部屋に入ると、制服を脱いで私服に着替えた。 「楓!夕飯できたよ!」 「はぁ~い!今いく!」 私は着替えてすぐ、ダイニングに向かった。 「今日の夕飯って何?」 「今日はお寿司よ」 「手作り?」 「そんなわけないでしょ!スーパーで買ってきたやつよ」 そっか。当たり前だよね。 「それじゃあいただきます」 私は手で寿司をつかむと醤油をつけて口に運ぶ。 「いっぱい食べてね」 「うん」 私たちは二人暮らしだ。私の父と母は離婚していた。母は私のことが大好きだし、私だって母が大好きだ。だから私は母の方へついていくことになった。一方姉は、母と父どちらにも好かれていなかった。そこで母は父に提案し、母が私をつれていって、父が姉を連れて行くよう、強引に話を進めたのだ。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加