学校

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「ねっねえ、なんでわたしはさんづけなの?」 「えっ!?」 そりゃびっくりするよね 急にそんなこと聞かれたら。 「えっ、いやー」 目線を泳がせる。 怪しい……… 「まあ答えられないんならいいんだけど」 じゃあねと言って店から出る。 なんだなんだあいつ。 わたしが野宮を好きだなんてありえない 好きになるわけないじゃん わたしのばーか 「あれ?知衣??」 「悠?」 「おお!知衣か!ん?熱でもあんのか?顔赤いぞ」 「え!?」 彼は木沢悠(きさわ・ゆう) 元カレ…と呼べるんだろうか。 ってくらい私たちは薄い関係だった 「いま帰り?」 「あ、うん」 いまではこんな風に軽く話せるけど、付き合っていたころはデートなんてもってのほか、並んで歩いたことすらない 「前も…こんな風に歩けたら良かったな」 悠も同じことを考えていたらしい 「ふふ」
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