前菜

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~波留美side~ ′′ 朝からあなたに ′′ __________ 季節は冬なのに、私は場違いなものを食べながら廊下を歩いていた。 すると上の階から、私の大好きな人が階段を駆け降りてくる。 「桐島先生! おはようございます!」 「ああ、森下さん。おはよう。」 私に微笑みながら、挨拶をしてくれる。 先生ったら、相変わらず素敵ですね。 きっと、私の顔はタコみたいに赤くなっていることだろう。 「今日の生徒会活動は、中庭の草むしりですよ。 ところで廊下でアイスなんて…。 ダメじゃないですか!」 先生は、私の口元にあるアイスキャンディーを指差しながら言った。 「…だって、好きなものはいつでもどこでも食べたいんですよ。 それに、この季節に食べるのがまたおいしいんです。」 「そうですか…。 でも、次から廊下では食べないようにして下さいね。」 先生は呆れながら、注意をする。 
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