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「いらっしゃいませ。
お一人様ですね?どうぞ、こちらへ。」
若い男性が私をお店の中へと案内してくれる。
……それにしても、お昼時だというのにお客は私だけみたいだ。
しーんと静まり返った店内には、古時計の針の音が耳に響いている。
男性のウエイターは、中央のテーブルへと座らせてくれた。
「このたびは、当店にお越しいただき、誠にありがとうございます。
あなた様は、当店の一番最初のお客様です。おめでとうございます。」
「えっ?!嘘っ!」
「……嘘ではありませんよ?」
ウエイターの表情が、さっきまでの真剣な顔つきから柔らかい笑みへと変わった。
…うわぁ…かっこいい…。
どこかの国のハーフの人なのか、一見、瞳の色は黒く見えるがよく見ると青い。
髪は少しカールしていて、金髪がかった艶のある茶色。
スタイルも抜群で、制服がよく似合っている。
お昼からイケメンを拝見したうえに、このお店の一番客…。
とてもうきうきした気分で、彼が差し出してくれたメニュー表を開いた。
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