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「あ、あの。この恋のフルコースを一ついただきたいんですが…。」
「はい。ご注文、ありがとうございます。
…しかし、あなた様にフルコースを召し上がっていただく前にご忠告しなければならないことがあります。
お伝えしてもよろしいでしょうか?」
!!?
ご忠告しなければならないこと?
……例えば、値段とかお金とかマネーとかですか?
「ど、どうぞ…。」
聞くだけ聞いてやろうじゃないっ!!
「では、失礼いたします。
これから出される料理は、あなた様の味覚を通して、ある5つの物語を見てもらうことになります。
それを最後まできちんと見ることが出来るのならば、どうぞお召し上がり下さい。」
へ?そんなこと?
すっかりお金の問題が頭から消えてしまった。
それに、5つの物語を見てもらう…。
最近のイタリアンレストランは、映画を鑑賞しながら食べられるのか!珍しい!……なんてことを思いながら
「全然、大丈夫ですよ!
むしろ楽しみです!」
「それは良かった。
では、しばらくお待ち下さい。」
ウエイターは、丁寧にお辞儀をした後に厨房の方へと行ってしまった。
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