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しばらくすると、フルコースの一番最初に出てくる′′ 前菜 ′′を持ってきた。
「お待たせいたしました。
こちらのお料理は、チーズと生ハムのマリネでございます。」
お皿の上の食材たちがキラキラと輝いて見えたのは、言うまでもない。
私は偶然、このお店に入って、映画鑑賞をしながらフルコースを味わう…。
てっきりそう思っていた。
しかし、これから起こることは
この恋のフルコースを食べ終わってから知ることとなる。
「では、ごゆっくり。」
そうウエイターが言ったあと、前菜を口にした私のまぶたは、ゆるゆると閉じていく。
そして視線の先にあった光が自分の意識と共に失われていった。
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