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「また会える?」
「いつになるか分からないけどな」
「相変わらずね。知ってる? 私たち、約十八年ぶりに会ったのよ。人ってそんなに変わらないのかな」
ライは楽しそうに言うシェリィの幼い頃を思い浮かべながら素気なく言った。
「変わらないのはそっちもだろう」
「失礼ね。綺麗になったねぐらい言ったらどう?」
「昔から綺麗だ」
バカ、と呟いてシェリィは目を閉じた。色々な意味で暑い。
「俺の居場所は言えない。シェリィが今日どうやって来たのか俺は知らない。…けど、危ないことだけはするな」
「ごめん」
でも、とシェリィはふて腐れたように言った。
「どうしても会いたかった」
今度はライが黙る番だった。ライはゆっくり目を閉じながら思いがけず顔がほころんでいくのを感じた。
「どうして君は忍者なんだろう…」
不意にこぼれた独り言はシェリィには聞こえなかったらしく、シェリィは幸せそうに笑っていた。
「リアンの里だ」
川の上流のなだらかな山の上にある忍者の里が姿を現した。その門につながる曲がりくねった道に着地した。ゆっくりと降りたシェリィは改めてライを見つめた。懐かしそうに空を見上げるライの額にも汗が光り、第二ボタンまで開いていた。
「久しぶりだな…」
「ありがとう。どうにか間に合いそう」
「どうも。じゃあな」
「またね」
ライは勢いよく地面を蹴って飛び去って行った。シェリィはしばらくその方向を見、慌てて里の方へ走って行った。
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