0.プロローグ

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7月も中頃。 テストも終わり、夏休み前ともあって教室では浮かれた奴らで溢れている。 浮かれる理由も分かるが、他所で騒げ。 特にお前、目の前で騒ぐな。 「ーーだよなぁ、夏樹!」 「え、聞いてなかった。もう一度頼む」 「絶対聞いてたよな、その対応!?」 この五月蝿いのは親友の櫻井博人。 女の子大好きな変態野郎だ。 学校の女子全員の名前を覚え、更にどこで知り得た情報かは知らないが、全員のスリーサイズまで知ってる極上の変態である。 ……何でこんなんと親友なんだろうとたまに思う。 「……聞いてたけど?」 「うっわ、何その嫌そうな態度」 「だってなぁ……」 「な、頼むよ!一生の頼みだからさ!」 「こんなところで一生の頼みを使うな」 俺はコイツに何を要求されているのかと言えば、女の子関連の話だ。 コイツの変態度合いは学校中に知れ渡っているのでまず女の子は寄り付かない。 だけど、女の子と会話したい……。 ならば俺を使って呼べば良いじゃんというバカみたいな発想をし、交渉中なのだ。
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