魔法の扉

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加藤樹side 俺の名前はイツキ・ラブラ・ドール 魔法学校に通う高校2年17歳だ。 二つ名は『漆黒の狂犬(ケルベロス)』 この世界で勇者をしている。 世界最強・超絶イケメン・一夫多妻制(ハーレム)と言えばみんな分かるだろう。 俺の周りには幼な馴染み・妹・ツンデレ・クーデレ・ヤンデレ・エルフの女・獣人の女・悪魔っ子・堕天使・女神etc...みんな俺が大好きなのさ。 ちょっとしたハプニングがあっても俺の魔法ですぐ解決 そんな俺の世界・・・すっげー楽しすぎ ・・・すっげー虚しい・・・ 帰るか・・・ そう思うと俺の前にドアノブが現れる。 おれが帰りたいと思うと向こうの世界に繋がる扉が現れるんだ。 ただこの扉が現れると決まって俺の嫁達が引き留めてくる。 いや、誘惑してくるんだ。帰らないでくれと・・・ 最初この世界に来た時なんて一カ月も滞在してしまった。 向こうに帰ったら家族や友達が心配してるだろうと思ったけど、そんな事なかった。 だってこの世界での時間は向こうでは一分一秒たりとも経っていないのだから・・・ 俺は嫁達にまた来ると宥めながらそのドアノブを捻る。 すると俺はいつものようにベットに背中から叩きつけられた。 この扉気づいたらそこに、寝ようと思って枕に頭を乗せ天井を見たらあったんだ。 扉と言うよりドアノブが天井に張り付いていただけだが。 この扉、ネットで調べると『夢の扉』なんて呼ばれているらしく、使用者の望む世界に行けるらしい。 ただし、向こうの世界を一年だけしか過ごせなく。一年経つと黒スーツで片メガネ掛け、ステッキを持つ謎の男が目の前に現れるらしい。 過ごすなら対価を払えと・・・ ある奴はこの世界の寿命を払ったらしいがあくまで都市伝説として噂されている。 たしかに向こうの世界は幸せだが、偽りの世界だ。 俺はこの扉で1年過ごしたらやめるつもりだ。 なんでも叶う世界なんてつまらないと思わないか? それとも俺がリア充なのか? でも、思うんだ。俺が現実だと思うリアルな世界を望んだら・・・虚しいなんて思わない本当の世界に酷似した世界を望んだら・・・ 帰ってこれなくなるのでは?なんてな・・・
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