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夕「…どうして僕を助けてくれたりしたんですか?」
刹(夕月…)
夕「あなたは僕に自分を憎めといいました…
…だけど
だけどこれじゃ…っ
あなたを憎むなんてできない…っ!!」
冷「…そう思わせるのも
僕の計算のうちだと何故考えない
べつに助けたつもりはない…
君は甘いよ…夕月
僕は敵だといったはずだ」
夕「ど…どうしてですか!?
理由を教えて下さい!
祗王を裏切ったのには何か理由<ワケ>があるんですよね…?
僕のことも初めっから騙すつもりだったとかじゃなくて…っ
――最近まで冷牙としての記憶は"封印"されてて…
だから 朝陽院にいた頃の奏多さんは"本当"で――
一緒に過ごした時間はニセモノじゃなくて……!」
すると夕月はポッケからなにかを取り出す
夕「…これ……
…このお守り
くださった時のこと覚えてますか…?
一年前…受験生だったけど楽しかった
奏多さんが勉強を教えてくれたから…
高校に入ってもまたあんなふうに教えてくれるって約束しましたよね
それから…夏休みになったら朝陽院の子供たちとキャンプへ行こうって――
バーベキューをして花火をしてって…
…笑って…話して…
…ぜんぶ
ついこの間のことです」
夕月は涙を浮かべている
夕「なのにどうしてあなたと戦わなくちゃいけないんですか
奏多さん……!!」
冷「――…
…その名で呼ぶな
"奏多"ではない
私は 祗王冷牙だ」
刹(…やっぱり)
刹也はあることに気付く
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