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ある日のこと
明里の隣の子供が高熱を出して苦しんでいた。
明里は喜吉を呼んでくる。
喜吉はその子供の額に手をあてがって。
「このまま熱が下がらないと脳が犯される!」
そう言って、水を含ませた布をあてがう。
だが…直ぐに布は熱くなる。
「他に冷やすものが有れば良いのだが?」
「喜吉様。山の雪ならまだ残っていると思います。」
「それなら、熱も下げることができるな。」
「はい。そう思います。では、わたくしが取って参ります。」
「えっ!そなた一人では危険であろう。我も行くとしょう。」
「いいぇ、喜吉様は山歩きは無理でございます。」
「しかし、そなた一人では…?」
「いいぇ、一人では有りませぬ。ギンも一緒に参ります。」
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