序章

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「九郎殿を引き渡すべきだ。この『奥州藤原』を守るにはそれしかない。」 兄弟たちは泰衡に迫ります。 「父上の遺言通り、九郎殿を大将に鎌倉と戦いましょう。戦って『奥州藤原』を守るのです。」 忠衡ひとりが戦うべきだと言いました。 「忠衡は九郎殿を慕っている。九郎殿と忠衡が謀反をおこすかもしれませぬぞ。」 国衡たちにそう言われて、泰衡も心配になってきました。
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