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その夜に祖父の通夜、そして翌日に葬儀は執り行われた。その祖父の近所の住人らしき人と近しい親族だけの小さな葬儀だったと思う。その２階の洋間で見た男のヒトは通夜も葬儀にも参列していた。
「ママ、あのオジサン、誰？」
「未映子は知らなくていいの」
「なんで？」
「コドモは知らなくていいのっ！、二度と聞かないで！！」
ヒステリックになった母にそれ以上は怖くて聞けなかったし、コドモが詮索してはいけないのだと感じた。コドモは知らなくていいこともあるって。
葬儀を終えると、私と母は直ぐに祖父の家を出た。そしてそれっきり、あのお屋敷に行くことは無かった。
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