呪いの伝染。

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真っ暗な部屋の中で、三体の日本人形のうちの一体の首がゴトリと落ちる音がした。もう二体のうち一体は口が抉られ、あとの一体は頭がズタズタに引き裂かれていた。 「やった、呪いは成功だ。受け渡し呪いは成功だ」 わたし、無道[むどう]は歓喜の喜びを上げた。やった、やっと虎塚の仇が取れた。大好きな人を無残に死に追いやった挙げ句、死体を隠した。喜々津、大川、それを知っておきながら死体を裏ルートで処分した、六中。絶対に許さないと決めた。五人の中で…… 「とおりゃんせ、とおりゃんせー、ここはどこの細道じゃ、天神さまの、細道じゃー、ちっととおして、くだしゃんせ、ごようのないもの、とおしゃせぬ、このこの、ななつのお祝いに、おふだをおさめにまいります、いきはよいよい、帰りはこわい、こわいながらも、とおりゃんせ、とおりゃんせー」 「あるところにね、仲良しこよしの五人がいたのね」 白いワンピース。サンダル、麦藁帽子に女の子と腐った死体の虎塚、口から血を流す喜々津、顔をズタズタにされた大川、頭部を抱えた首なし六中が立っていた。 「その中の女の子は誰よりも劣っていたの、みんなの背中を追っかけるだけの女の子がいたのね」 まっすぐ指差し、女の子こと、ジュジュは言った。 「それが、無道お姉ちゃん、貴女なの」 「待って、待ってよ、ジュジュ、話が違う。呪いは六中まで、術者のあたしは関係ない」 「人を呪うは穴二つ、呪い、呪術繋ぎは完全しなかった。六中が繋げなかったから、繋げられなかった恨みつらみの行き先は無道お姉ちゃんに戻ってくるの、バイバイ、無道お姉ちゃん」 ジュジュは日本人形を真っ二つに折ると、あたしの胴体も真っ二つに引き裂かれた。
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