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「……ガッ!?」
いつの間にか、首筋に縄が巻きつきギリギリと首を絞めていく。皮膚に食い込み、気道が塞がれ息ができない。それでも酸素を吸おうともがき、縄を切ろうと爪で引っ掻いても傷つけるだけで切れる気配がない。喉に爪を食い込ませ縄を引っ張る、切り傷ができて血が溢れた。
「お前、六中、お前、ずーっとずーっと見下してたんだな、許さねー許さねー許さねー許さねー許さねー許さねー。絞め殺してやる。絞め殺してやる。絞め殺してやる。テメーはぜってー許さねー、お前はいっつもそうだった、善人気取りで女子にもモテてさ、なのに、困ったら頼れみてーなさ、そういう態度が気に食わなかったんだよなぁー」
顔がズタズタに引き裂かれ、目も見えていない状態であろう、大川は、僕の首に回した縄をギリギリと力一杯、絞り上げていく。食い込ませた指も一緒に締め上げられて喉に爪が突き刺さる。
「ガッツッッ。ウゥゥウゥゥウ」
苦しくて、痛い。僕が何をした、働き手のない大川に仕事を与えたじゃないか、喜々津をずっと気にかけてたぞ、虎塚の死体だってこっそり処分したのは僕だ。なのになんだこの仕打ちはふざけるな。
「苦しい? 痛い? 六中お兄ちゃん、ねぇ、……と契約しよ、そしたらその苦しみも痛みもなくなるよ?」
ニコニコと笑う、女の子は絶えず日本人形の首に回した紐を絞り上げながら言った。
「ふ………ざねるな、だらぎゃ、そんなかゃとす………るか」
「ふーん、じゃあ、いいや、バイバイ、六中お兄ちゃん」
ギュッと紐を引っ張ると、日本人形の首がポトリと落ちると、同時に僕の首もポトリ縄が勢いよく食い込んで落首がちた断面から血が吹き出し、床に首がゴトリと落ちた。
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