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「みぃちゃんはもう何年も前に家を出たの」 そう教えてくれたのは俺の母親 俺は言葉もなかった 「知らなかったの?」 母親に訊かれ無言で頷くことしかできない みぃは最初の頃はたびたび連絡してきてたというが 「最近は全然」 「じゃあ、俺が帰ってること、みぃは……」 「知らないと思う」 首を横に振る母親を見て、一瞬目の前が暗くなったような気がした てっきり母親が、彼女に…みぃに俺のことを話していると思っていたのに…… 早くに母親を亡くしたみぃを娘のように可愛がっていた俺の母親 当時はとても寂しかったし、とても心配したそうだ 「みぃちゃんももう大人だから」 母親は寂しげに笑った
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