9人が本棚に入れています
本棚に追加
「みぃちゃんはもう何年も前に家を出たの」
そう教えてくれたのは俺の母親
俺は言葉もなかった
「知らなかったの?」
母親に訊かれ無言で頷くことしかできない
みぃは最初の頃はたびたび連絡してきてたというが
「最近は全然」
「じゃあ、俺が帰ってること、みぃは……」
「知らないと思う」
首を横に振る母親を見て、一瞬目の前が暗くなったような気がした
てっきり母親が、彼女に…みぃに俺のことを話していると思っていたのに……
早くに母親を亡くしたみぃを娘のように可愛がっていた俺の母親
当時はとても寂しかったし、とても心配したそうだ
「みぃちゃんももう大人だから」
母親は寂しげに笑った
最初のコメントを投稿しよう!