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おじさんにみぃの連絡先を聞いたけど、俺はみぃに連絡することができなかった みぃが俺を望んでいなかったら そんな思いが次第に大きくなっていったからだ そうやってなにもできないまま数日が過ぎ 世間では新年度が始まる今日 俺は初出勤する 朝から母親に渡されたのは弁当 「30才過ぎた息子に弁当なんか……」 苦笑いする俺に母親は笑いながら 「いくつになっても息子は息子よ!」 と言って俺の背中をバシンと叩き 「ハンカチ持った?」 なんて言っている 完全に子ども扱いだ 早く家を出ようと固く決心しながら玄関を開けると、目の前をシルバーのスポーツカーが通って行って それに車も必要だな 通勤できると言っても徒歩では到底無理 車で2、30分くらいかな 車のない俺は暫くバス通勤 バスに揺られながら新しい職場へと向かった
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