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その話を聞いたのは、数ヶ月前だった アメリカに来てから知り合った友人が 「一緒に日本に帰ろう」 と言ってきたのだ 「は?」 突然の申し出に全く理解できずにぽかんと口を開けた 話を聞けば、父親が経営している会社の副社長に就任することが決まり、その会社に俺を迎えたいということらしい 「なんで、俺?」 そんな疑問を投げかけると 「だって、おまえ好きだし」 なんて本気なのか冗談なのかよく分からない発言は、とりあえず無視して 俺はその話についてよく考えることにした 正直、すごく迷った 今の仕事は好きだしやりがいがある ずっと続ていきたいと思ってた だけど提示された条件は今よりはるかにいいもので なによりも日本に帰れるということに心が揺れたのだ
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