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朝日が教室に射す夏の日。
同じような毎日だがやはりどこか違う。
今日は「どこか」ではなくはっきりと違う、と言える。
クラスが騒がしい。
このクラスから英雄が出たからだ。
第二地上急襲部隊。
幼馴染みのマチルが軍学校に居ながらにしての抜擢だった。
子どもたちからヒーローとしての視線を集める部隊だ。
この部隊に入ることを許されると二つの道が選択出来る
戦地へ赴いてヒーローになるか、直接戦地に行くことのない部隊へと昇進するか。
しかし後者を選ぶ者はいない。
臆病者と罵られるからだ。
親、兄弟、親戚と、周りのほとんどが労働者のこの国。
手足となって動く方に情が湧くのか、昇進はしない。
その栄光の部隊にして、死ぬことを約束された部隊の一員にマチルは選ばれた。
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