2人が本棚に入れています
本棚に追加
「ここに、この公式を当てはめると答えが出るな
黒木、完璧だ!さすが学年トップは違うな
よぉし!これ覚えとけぇ?期末に出すからな」
俺は教壇から自身の席へと向かう。
椅子を引き座ろうとしたところを制止させられた。
『ワリィけど龍之介もうちょいそのままで頼む!』
俺の席の後ろに身を隠しているのは白石雄輔。
俺の数少ない友人の一人だ。
小さい頃に母親を事故で亡くし今は1つ下の弟と二人暮らしをしている。
父親は海外出張マンで殆ど家にはいないそうだ。
雄輔は教壇に立つ数学講師の目を盗みながら自分の席へ行こうとしている。
「じゃあ、次の問題を………
白石!白石雄輔!!
お前今何時だとおもっちょる!
黒木も庇うな
これで何回目だ?あぁ~?
前出てこの問題を解け」
雄輔はバツが悪そうに後頭部をかきながらおずおずと前えと向かった。
最初のコメントを投稿しよう!