愛のカタチ

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「…ふぅ…暖かい」 いつもクーラーの効いた冷たい部屋で1人居たから、体が暖められて気持ちいい けれど、それは所詮一瞬の暖かさだけだ 人の温もりには敵わない 「総舵君、湯加減とか、大丈夫?」 「あっ、うん。大丈夫だよ」 「そぅ。なら…ゆっくりしてね」 そう言ってるが…胡桃は恐らく寂しいのだろう。 俺はちゃっちゃと体を洗い、軽く湯船につかり、風呂を出た 「出るよ」 そう言って出ると胡桃が俺をタオルで包んだ 「…一緒に入ろうと思ったのに…」 「…なら、体、拭いてくれるか?」 「うん!」 そう言って胡桃はご満悦そうに体を拭き始めた 「…うん、今度はいい匂いだね」 「…そだな…服…着させてくれ…」 服を着ると、胡桃は俺にまた首輪を付けた 「…離れないでね」 すると、後ろから胡桃から抱きつかれた 「…離れねーよ…」 そう言うと胡桃はよろこんだ顔になり 「ねぇ…総舵君…お願い一つ、いい?」 「ん?何?」 すると胡桃は俺の後ろから手を回して 「総舵君の耳…頂戴」 そう言って俺の耳を触った その手は冷たく、一瞬寒気がした 「……」 「総舵君の耳…何聞いてるか知りたい…」 「胡桃…そうしても、聞けないよ」 「…なら…単純に総舵君の耳が欲しい」 「…なんで?」 「総舵君の体…欲しいもん…でも…全部もらうと総舵君が総舵君 で無くなる…だから…だから片耳だけでもいいから欲しい…」 俺は少し考えた そして
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