手記

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 だが、こちらも歴史的な瞬間を前にして退くわけにはいかない。 私は一歩前に足を踏み出し、アダムの許へ歩み寄ろうとした。 「なっ――」  直後、私の全身が眩い光に覆われ、視界が次第に暗転していく。 これは”理術”なのか? 『眠るとしよう……』  その言葉を最後に、私の瞳に写っていた景色は移り変わった。 気がつけば、最古の遺跡”エル・ミラドール”を外から見上げており、私は悔しさに奥歯を噛み締める。  私の直感では、彼こそが”禁断の果実”へ繋がる唯一の道だろう。  だからこの手記を後世に残しておく。 秘宝を追い求める者達の為に……  A.A<アフターアダム>1258.5.26 クライス・フィオラ
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