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世界四大大陸の一つ、アズウェル大陸の北西に位置する山間の村、エメルド。
木製の平屋が建ち並ぶ小さな村の奥にある、埃にまみれた倉庫の一室を僕は訪れていた。
長老に頼まれ、占い様の羅針盤を取りに来ていた僕は、偶然崩れ落ちた木箱の下から古い文献を発見した。
放置されて随分と経ったのか、汚れに塗れた古代文字の表紙。
徐に表紙を捲ると、所々虫に喰われた痕のある草臥れたページが数百枚に及び綴ってあった。
興味深い内容に、僕は時が経つのも忘れ熟読する。
――凄い。
伝承と歴史をかみ合わせ、実体験を基に独自の解釈をリンクさせた書物。
書き手は余程精通した冒険者だろうか。
内容に矛盾点は感じられず、違和感も感じられない。
次へ次へとページを捲り、内容を理解しては一人頷く。
どれだけそうしていただろうか。
気がつけば倉庫の上部に設置された窓から、穏やかな月明かりが射し込み、僕の頬を優しく照らしていた。
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