2人が本棚に入れています
本棚に追加
細い瞳に色は金色、微笑している表情から見て大地はモテてるなと思っていた。
しかし、そんなゆっくりと観察している暇などはない。
彼は二人の目の前で何か小さな声で呟いく。
「赤い瞳の宝石よ……我に答えよ……真の力! 扉よ開け!」
大地たちの前にセメントで創られているような大きな扉が開いた。
扉には銀色の天使の羽の紋章が刻まれている。
眩しい光に彼は迷いなく中へと歩き入った。
大地は興奮している。怖いのではない、嬉しいのだこんなチャンスはもう無いだろうと憐に言う。
「憐君……僕行くよ……」大地は眩しく光る扉に手を伸ばしゆっくりと歩いて入って行った。
憐は大地を止めようとしたが眩しさに大地の姿を見失ってしまう。
扉は閉まりキラキラとダイアモンドダストのように消えていく。
建物内は静かになり周りを憐は確認すると最初に来た時の廃墟と化した建物だ。憐は寸秒目を閉じらず唖然としてしゃがんでいたが、立ち上がり大地を大きな声で叫ぶ。
「たいちいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」何度も何度も声が枯れるまで叫び続けていたがやはり先ほどの扉に入って行く大地の姿は夢ではなかった。
諦めたかのように叫ぶのを止め、小さく小声で呟く。
「大地……」
最初のコメントを投稿しよう!