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朝よりも暑さを増し、無駄に疲労した私の体力が更に減っていく。
「よし、何処かでひと休みしよう!!」
私は早速見つけたカフェに、涼を求めて飛び込む様にしてドアを開ける。
ドアを開けた瞬間、店内の涼しさが私の体の火照りを冷ましてくれた。
「いらっしゃいませ、お客様は何名様でしょうか」
「一人で「あ、二人ー」……は?」
先程まで聞いていた声が、私の声と重なる。
「へへ、ついてきちゃった!!」
横を見れば藤崎さんと言う男性が、語尾に星マークでも付いていそうな感じで私にウインクする。
店員さんはこちらへどうぞ……なんて案内するもんだから、仕方なく案内された席に座る。
「アイスココアをお願いします」
「あ、俺はレモンスカッシュでー」
オーダーをとった店員さんがキッチンに行ったのを確認して
「……すみません。貴方は今、勤務中ですよね?何で私について来てお茶なんてしてるんですか?」
「えー、なんとなく?」
「いや……なんとなくじゃなくて、仕事しましょうよ。むしろ何で疑問系なんですか、質問を質問で返さないでくださいよ」
「だって、仕事より君の方が面白そうだし。俺、君のこと気に入っちゃったんだよね」
な、なんか変な人に関わっちゃった……?
「や、気に入る要素が見当たらないですし、況してや初対面なんですけど」
「だって君、先輩のお気に入りだし?」
……は、話が全く見えんっっ!!!!!
「藤崎さん……でしたっけ?私は藤崎さんの先輩とやらを知らないんですけど」
「うん、先輩も君のことを知らないと思うよ?」
「あの、貴方は自分が何言ってるかわかります?その先輩が私の事を知らないなら私を気に入りようがないんですけど?」
この人は宇宙人か何かなのか!?
「あ、何か言葉が足りなかったね!!『たぶん』知らないと思うよ?だった!!」
某女性タレントを彷彿させる緩さに、若干の苛立ちを感じる。
普段だったら面白いし気にもならないけど、今日は生憎、機嫌がすこぶる悪い。
話が通じないとこを見ると、やっぱり宇宙人なんだろうな、この人。
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