7人が本棚に入れています
本棚に追加
この人と話してると更に脱力感を感じてきたんだけど、気のせいか?
今日は生憎厄日のようだ。
大人しく家に帰ってれば良かったのに、ひと休みしようなんて思ったことが悔やまれる。
そんなことをボーッと考えていると、注文した物が運ばれてきた。
「あ、アイスココアも美味しそうだなー……一口「あげませんよ」えー!!いいじゃん、俺のも一口「いりません」……ちぇーっ!!」
間髪入れずに断ると、藤崎さんは口を尖らせて拗ねる。
宇宙人っていうより、この場合は幼児と言ってもいいんじゃないか?
黙ってれば大人の男って感じで格好いいのに……。
いや、むしろ世の女性はこのギャップに惚れるのか!?
ジーっと観察するように彼を見ていれば、目が合ってしまい、何を勘違いしたのか
「あ、俺に惚れちゃった?」
なんて戯けたことをほざくので
「それはあり得ないです。貴方は私の守備範囲外ですから」
キッパリと否定してやった。
「もう、照れなくてもいいのにー」
……勘違いもここまで来ると清々しい。
これ以上関わるのは危険だと判断し、さっさとココアを飲み干す事に専念する。
思ったより甘ったるいココアに、喉の粘膜がやられそうで、一気に飲み干す事は断念した。
仕方がないのでちまちまと飲む回数を小分けにするが、なかなか減らない。
その間も藤崎さんは何か言ってるけど、早く帰りたいとココアを飲むことに集中していた私は、彼の問い掛けにも生返事をする。
やっと飲み終えたと同時に
「……って事だから番号教えて?」
「あー、はい……って何でですか?」
なんて言われたもんだから、危うく生返事で聞き流すところだった。
「えー!!聞いてなかったの?今度の休みに付き合って貰いたいところがあるって言ったじゃん!!」
またもやプゥッと膨れる藤崎さんに
「すみません……聞いてなかったです……」
「じゃあ、許してあげる代わりに番号を教えて?そんでもって、今度の休みに付き合って?」
自分の落ち度のせいで、番号交換と藤崎さんに付き合う約束をしてしまったのだった。
最初のコメントを投稿しよう!