偶然の出逢い~依都side~

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この人と話してると更に脱力感を感じてきたんだけど、気のせいか? 今日は生憎厄日のようだ。 大人しく家に帰ってれば良かったのに、ひと休みしようなんて思ったことが悔やまれる。 そんなことをボーッと考えていると、注文した物が運ばれてきた。 「あ、アイスココアも美味しそうだなー……一口「あげませんよ」えー!!いいじゃん、俺のも一口「いりません」……ちぇーっ!!」 間髪入れずに断ると、藤崎さんは口を尖らせて拗ねる。 宇宙人っていうより、この場合は幼児と言ってもいいんじゃないか? 黙ってれば大人の男って感じで格好いいのに……。 いや、むしろ世の女性はこのギャップに惚れるのか!? ジーっと観察するように彼を見ていれば、目が合ってしまい、何を勘違いしたのか 「あ、俺に惚れちゃった?」 なんて戯けたことをほざくので 「それはあり得ないです。貴方は私の守備範囲外ですから」 キッパリと否定してやった。 「もう、照れなくてもいいのにー」 ……勘違いもここまで来ると清々しい。 これ以上関わるのは危険だと判断し、さっさとココアを飲み干す事に専念する。 思ったより甘ったるいココアに、喉の粘膜がやられそうで、一気に飲み干す事は断念した。 仕方がないのでちまちまと飲む回数を小分けにするが、なかなか減らない。 その間も藤崎さんは何か言ってるけど、早く帰りたいとココアを飲むことに集中していた私は、彼の問い掛けにも生返事をする。 やっと飲み終えたと同時に 「……って事だから番号教えて?」 「あー、はい……って何でですか?」 なんて言われたもんだから、危うく生返事で聞き流すところだった。 「えー!!聞いてなかったの?今度の休みに付き合って貰いたいところがあるって言ったじゃん!!」 またもやプゥッと膨れる藤崎さんに 「すみません……聞いてなかったです……」 「じゃあ、許してあげる代わりに番号を教えて?そんでもって、今度の休みに付き合って?」 自分の落ち度のせいで、番号交換と藤崎さんに付き合う約束をしてしまったのだった。
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