なにもない。

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「‘’ゆう‘’って呼ぶな!!」 ぼろぼろ、と流れ出す。 情けない ナサケナイ。 もっと、しゃんとしなきゃ。 ‘’日向‘’は泣かない。 「すいませ…ん、用事あるから」 日向は、こんなんでは泣かない。 ふわり、 とした感触。 「ねぇ、泣き止んでよ」 ふわふわした髪の毛があたる。 あれ、 抱き締められてる? なに… 「思ったより、華奢だねー」 カチコチに固まってしまって 動けない。 「あれ、固まっちゃた?かわいw」 恥ずかしい。 「やめ…ろ。」 さわさわ、髪の毛が首にあたる。 くすぐったい。 あぁ 日向に似てる。 「…」 抱き抱えられる形でずるずると引きずられて投げられる。 「痛てぇ」 ふかふかしてて、 「なんだ、ベッ…」 自分の部屋。 たかがベッド。 されどベッド。 「ね、憂季、にぶいって言われた事は無いかい?」 ぞくっとした。
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