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僕はひどく模範的な少年だったと思う。
勉学に励み、切磋琢磨ではないが、それなりにこなしていた。
すればするだけ結果が出た。
大人には誉められるし、
子供には疎まれた。
けれどそのせいで、孤立してしまっていたのは確かであった。
こういう言い方はおかしいかも
しれないが、学べば学ぶ程距離は遠くなっていった。
でも、独りは寂しくなかった。
「ねぇ、憂は何でいつも独りなの?寂しくないの?」
貴方がそう言った時、内心、どぎまぎして仕方がなかった。
だって、この僕自身も理由なんて明確に知らなかったのだから。
にこやかに僕に質問する日向は酷く愉しそうに笑っていた。
「あはっ、馬鹿正直な顔しちゃって寂しいの?悔しいの?ねぇ」
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