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ぐだぐだに前半は平和だった。
例え、今ピンチだろうと。
脈絡というものが壊滅的なので
時空をさかのぼることにしよう。
※一時間前
北校舎の廊下の薄暗い廊下に
仄かなケータイの明かりが光る。
『どうして会長が親衛隊を消すと報告してくれなかったんですか?知っていたのでしょう?』
『…嫉妬だ。』
ケータイから聞こえてくる、
声はいつもより何故か、
低く威圧感がある。
『私は親衛隊が邪魔だった。
キミには悪いけどね。』
親衛隊のどこが邪魔なのだろうか。ふと、俺の頭は止まる。
『三笠さん。』
『なんだい?』
『親衛隊を潰すなら報告してくださいよ。』
『有篠…くん?』
準備も何もないじゃないか。
聞こえてきた声は戸惑っていた。
『三笠さんには借りがあります。ですから、俺は借りを返す。』
『だが、親衛隊には友達がいるよね?それはどうするの?』
もっともな質問だ。
『友達なら上手くのらりくらり、かわすだけが取り柄の馬鹿ですし。……で、結局三笠さんは親衛隊を解散させるだけでいいんですか?』
『うん。そーだよ。その通りだ』
三笠さんは案外酷い人だ。
ただ、それだけだ。
まぁ、その前に
『会長と会わせてください。』
『え?』
『だって、自分の親衛隊ですよ?潰すなら話し合いです。』
『有篠くんは怖いね。』
俺はにっこりと笑って画面の裏側に微笑みかけた。
この場所に居ない三笠さんに、
『会長が高みの見物なんて気に食わないですし。』
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