ダイヤの方法

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「さて、アリシノ。会長様に近づかないでくれる?」 突き刺すような視線。 余程会長に心酔しているようだ。 これなら、会長とはケータイで話せば良かったかもしれない。 いや、その方が得策だった。 「はい、気をつけます。」 そう、無気力に言うと、【ダイヤ】のリーダーは元から高くない声をいっそう低くした。 「本当にむかつく、なんなの?会長様に近づいたにも関わらずお前は無気力だ。」 怒っていらっしゃるようだ。 他の十人も同じらしい。 「会長様はやはりお前のことがお気に入りなのか?こんな無気力なやつにわざわざ会うなんて、あり得ない。」 あーあ、疑われたよ。 死亡フラグだよね? リーダーは十人に命令した。 「とりあえず、会長様に近づいた罰は受けてもらうよ?」 十人は嫌な笑みを浮かべて近づいてくる。 いや、俺リンチ? 「可愛がってもらいなよ。」 あー、暴行ですか。 「俺ノンケ!」 叫んで焦る。 俺、最近巻き込まれすぎだろう。 リーダーは何故かPSPやってるし。 モンハン…だよな? 「最初は痛いけど、馴れれば気持ちいいよ?」 ナニがだよ!? 今まで暗闇で見えなかった顔が月明かりで見える。 「お前、クラスに…」 石川くんだっけ? 陰が薄いしか記憶にないけど。 「アリシノくんは綺麗だから優しくしたいし?」 ナニをだよ! 溜め息をついて、言う。 ニヤリと笑って俺は微笑んだ。 「しょーがないなぁ。」
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