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案の定ハモったが、鼓膜が死滅しかけるくらい五月蝿いのだ。
そんな中、
ドカーンッと何かが倒れる音と、不愉快な声が響いた。人だかりというなのバリケードで全く見えない。
「ざけんなっ!男にキスなんかすんじゃねーよ!!!!」
キンキンと頭に響く不快音に顔を自然にしかめる。男にキスなんてこの学校じゃ常識だ。
珍しくもない。
でも、誰が一体あんな不快音を出す生物にキスをしたのだろうか。
「ゆーちゃん、さっさと出ていこう?僕、今イライラしてるし。」
巧は目がいい。
通常学園生徒の視力を平均にすれば、二倍だ。
嫌なものが見えたらしく眉間に皺をよせていた。
「ん、いいよ。」
口の中で転がしていたアイスクリームを溶かして、席を立とうとした、そんな時だった。
「私の会長に何すんですか!」
私のーーーーーーーーーーーーー
会…長…?
ざわざわとした波紋が人を伝う。
一瞬、人だかりに出来た隙間から見えたのは、激昂した三笠さんの顔だった。
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