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有篠side
会長と謎の人物のせいで、考えていた策が5つ無駄になった。琥珀に撒いた伏線も意味がなくなった。
もう日は落ちていて、窓の外は真っ暗だ。
prrprrrr
『ゆーうーきーくーん!』
『何で毎回、ハイテンションなんだよ馬鹿。』
鋭く言えば、夜人は声のトーンを下げた。
『…会長にキスされてた奴の名前なんだけどさ…憂季。』
『で、誰なんだよ?』
夜人は躊躇っているようだ。
それにしても何を?
何を躊躇っているんだろうか?
速く…と急かせば、夜人は重々しく口に出した。
『学年は1年名前は…
‥‥‥‥‥‥‥■■■■。』
ガシャンッ
手に力が入らなくなって、俺はスマホを落としてしまう。
『ゅぅ…!』
夜人の声で、慌てて拾い上げる。
そのままスマホを耳にあてれば…
『大丈夫か?』
とやけに心配そうな声で聞かれた。
大丈夫に決まってる。
当たり前だ。
『問題ないよ……あ、報酬は払うから、そいつがここに来た目的と今まで何をしていたか…調べてくれ。じゃ、また明日。』
と、一気に喋ってスマホを切る。
やけに溜め息が大きく聞こえた。
気がした。ーーーーーーーーーー
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