捜し物

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巧に八つ当たりなんてしたくないし、今日も早退しといた方がいいだろう、と思いながら流れる声を無視していた。 ガッシャァァン!!!  物凄い音に顔を上げると、扉は開け放たれていた。ていうか、壊れていた。それも、半端なく。流石のホストもびっくりしていたが、扉の向こうを見ると深い溜め息をついて、言った。 「授業中なんだが…神代」  生徒会長を殴り、親衛隊を否定した一年生‘’神代鞠人‘’が取り巻きを引き連れ、堂々と入ってきたのだ。爽やかなイケメンと不良が後ろに護衛のようについている。 クラス全員が唖然としている中。 神代は叫んだ。 「このクラスに‘’カザマユウキ‘’は いるか?!隼人」 ホストは溜め息をついて言った。 「そんな奴はいないAクラスだろ」 と、言った。ホストはそう言ってから俺をちらり、と見る。 「そうか!ありがとうな♪隼人」 神代は帰ろうと右に回る、そして、必然的に俺と目が合う。 そして、神代は…… 「おまえ!」 と今日一番の声で怒鳴った。
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