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「ゅ……ゃんゆーちゃん!!」
ゆっくりと薄目を開けると、真っ白な天井が出迎えた。
横に居るのは巧のようだ。
「ぁあ良かった…目が覚めないから心配したよ。ゆーちゃん」
覚醒した脳がもう、
質問したがっている。
「巧、今は何時?」
「えーと、何時っていうとわかりずらいね…まぁ、夕方だよ。」
夕方、ということは朝方から夕方まで寝ていた、ということだろう。
「マリmゴホゴホッ神代は?」
巧は視線をそらして言う。
マリモでいいのかもしれない。
「あ、の後ね僕と親衛隊全員と先生達でやっと止まったんだ。」
どうりで、憔悴している訳だ。
心なしか弱々しい。
其処まで馬鹿力なのか。と半ば呆れる。
沈黙。
掛ける言葉が分からなくて、俺は
「ごめんな、巧。」
と、謝った。
何にたいして謝ったのかわからない。でも、謝った。
すると、巧は強い瞳で俺を見た。
「ゆーちゃんは隠してるのが下手なんだよ……教えてくれる?」
夕方、赤色に染まった窓を見ながら、俺は呟いた。
「まだ、駄目なんだ。」
巧は悲しい顔をしたが、直ぐに止めて、わかった、と言った。
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