残像賛美

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そのあとはいつも通り、自分の部屋に戻った。 散乱した部屋に立ち尽くす。整理整頓が全く出来ないわけじゃない。しないだけなのだ。 ソファーに座って見れば、スマホには三件のメールが来ていた。 …夜人だ。 俺はメールを見ないで電話を掛ける。prrrrrprrr 『へろへろ!憂季♪あのマリモと揉めたんだってーー?』 いつも通りの呑気な声に少しだけ満足感を覚える。 『ああ、そうだ。それと、夜人、あのマリモ、まぁマリモでいいか、マリモの取り巻きの爽やかと不良の情報をくれ。』 無愛想に言えば、夜人はおどけて言った。 『知らないわけじゃないよねー?爽やか君の家は結構な資産を持ってるよー?ねー?』 勿論、承知のことだ。 でも、いくら金を持っていても ‘’有篠‘’の敵じゃない。 『じゃぁな夜人よろしく。』 と、一方的に電話を切る。 巧は何を知りたいんだろうか。 俺は何を話せばいい? ぐるぐると回る思考は定まらない。ゆーちゃん、とふと、巧の声が聞こえたーーーー気がした。
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