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「最近、なんかしたかな?俺。」
トタトタと靴音が廊下に響く。
嫌な予感と共に寒気が身体中を走る。
振り向いても誰もいない。
廊下は薄暗く、何故か人気が全くない。
「「「憂季様!」」」
「いぎゃぁぁぁ」
今日一番の声です。
「今日こそ憂季様の親衛隊を作らせてください!!」
これはもう、女の子なんだ。
そう、女の子。なんて無理矢理思いながら正面に向き合う。
……無理だ。
だってズボン履いてるし。
この子達は、
数日前からつきまとうストー…
可愛いストーカーである。
「俺のどこが親衛隊持つに相応しいの?わからないんだけど…」
「憂季様は会長よりもお綺麗ですっ///////!!!!」
一人のチワワがそう叫んだ。この子大丈夫かな。
あの会長よりも綺麗とかうげと、思いながらとりあえず、話を聞こう、と思っていたら、あっという間に取り囲まれてしまった。
リンチか?
やっぱりリンチか?
と泣きそうになっていた俺は、チワワの言葉に目を見開かずにはいられなかった。
「親衛隊を作る許可を貰えるならば、学食のスイーツ全種類券差し上げます」
「!」
まじで?! (*´∇`*)
「毎日、図書委員の仕事を変わります!ついでに金曜日の宿題も!」
「!!」
「期間限定のパフェ奢ります!」
でも、期間限定のパフェなんかに…
パフェなんかに…
パフェなんか…
パフェなn
「パフェ大好き!!!!いいよ!」
「ありがとうございます!」
キャーと可愛らしい声を出して走っていく……チワワ達。
振り向き様にお辞儀をしてダッシュで帰っていった……チワワ達。
俺が、階段を降りる頃にはチワワ達のことよりも、会長の親衛隊をどうやって説得するか、を考えていた。
いつの間にか一階の裏庭で降りてきてしまっていた。裏庭は校舎裏に繋がっていて、薄暗いうえに、人気もないので一般の生徒はあまり寄り付かないのだ。
ドサッ
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