残像賛美

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「三条先輩…」 お忘れの方も多いだろうが、 "風紀副委員長"の三条先輩だ。 覚えにくいなら、 "壁を蹴る人"でいいと思う。 たぶん。 「本当、なんでお前はトラブルの中心に居るんだ。俺の手を煩わせたいのか?そこのマリモもな。」 周囲の生徒が、どん引く俺様だ。 「お前いきなりなんなんだよ! なぁ!名前なんて言うんだ?!」 おい、マリモ。 荒手のナンパみたいになってんぞ 「おい、風紀室の倉庫にでも入れとけ、マリモなら大丈夫だろ。」 と、近くにいた風紀委員に言う。 倉庫ったよな? 倉庫、倉庫、倉庫、 思い出した。 「先輩、あの倉庫ですか?」 恐る恐る聞くと、笑顔で 「お前も入るか?」 と爽やかに言われた。 「おい、風紀。鞠人を放せ。」 「俺達の親友なんだ。返して。」 空気だった爽やか君と不良が三条先輩に詰め寄る。 それマズイって! その人骨折るくらい何とも思ってないから!!と風紀委員が止めるが、 不良君が動く、 風紀委員の制止を振り切るところを見ると喧嘩慣れはしているようだ。 でも、 そのまま拳を下ろしたら、 いけないだろ。 先輩と目が合う。 "ダンッ"
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