ー椎葉 慎(マコト)-

21/36
前へ
/142ページ
次へ
しばしの沈黙・・・。 その空気を破ったのはまさしく 崎田・・・。 「おぅ!お疲れのトコ悪いな。まぁ座れよ。」 呑気にラーメン啜りながら促す。 その声にオンナも俺も、ハッ!として 俺は、いつもの指定席に腰を下ろし オンナを見やれば つまんでいたコロッケにガブッ!とカブリついていた。 その全く色気の無い食いっぷりにまた、見惚れていたらしい。 「ん!!」  と言う崎田の咳払いに我に帰る。 見惚れていた・・・と言う事実に気恥かしくなり 意味も無くポケットをあさり出す俺・・・。 そんな事にはお構いなしのそのオンナは 瞬く間にコロッケを食い終わり 「ごっそサン。でも私にはラーメンなかったな」 なんて、崎田に上から目線・・・。
/142ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加