改めて狂う私

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警察に捕まり、私は一部始終を話した。妹を助けたかったことを全面に押しだし、お経のように何度も言っていると、警察官は私を解放してくれた。どうも、警察官はこれがめんどうだったらしく、その代わり妹を一生面倒見なさいと言った。俺は、迷わず愚直に、はいと、うなづいたが、ハッキリとしたYESのようなのりではなかった。世話ぐらいはしようと上からの気持ちが祟ったのか知らないが両親はこんな俺を許すはずがなく、俺をほどなく追い出した。両親はあんな良い子を殴るなんてと言ったが、俺は妹を守るために殴ったのだ、だから紳士も殴ったのだ。そう言いたかったが、聞く耳は到底持たないだろう。紳士なぞは痙攣して二日後に国に泣きながら帰ったらしい、ざまあ見ろってんだ。もういいや何も知らない。もう何も考え無くて良いんだ。そんな言葉を暗示かけのように心で唱えながら、家から出て行かされた。妹の面倒は見ないつもりだアイツがある意味で目を覚ますまでは。 さあ、家を出よう。足の様子は事情を聞かれたことですこぶる良い。気持ちも新天地を目指して良好だ。まずは隣町だ。俺は隣町を目指した。
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